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「オフプライスストア」とは?
普及している背景と国内のオフプライスストア事例



 オフプライスストアとは

オフプライスストアとは、複数の企業やブランドから過剰在庫やシーズンオフ商品を仕入れて、一つの店舗で割引価格で販売する小売店のことです。さまざまなブランドアイテムがお得に買えるオフプライスストア。米国ではTJマックスやロス・ストアーズなどが代表的です。近年、国内でもオフプライスストア業態の出店は増加しています。

なぜ、お得に買えるのか
ブランドやメーカーが生産しすぎた商品やシーズンが過ぎた商品は、通常の小売店では売れ残ってしまいます。これらの商品は倉庫に保管されるとコストがかかるため、メーカーやブランドはこれらを安価でオフプライスストアに売却します。そのため、企業やブランド側は在庫を減らせて、消費者は衣料品を安く買えるというメリットがあります。

アウトレット店舗との違い
オフプライスストアは、商品を低価格で販売する点ではアウトレットモールにある店舗と共通しています。アウトレット店舗は自社商品や特定ブランドのみを取り扱うのに対し、オフプライスストアは複数の企業やブランドから仕入れた商品を販売する業態です。そのため、取り扱う商品やブランドのバリエーションが幅広い傾向にあります。中には、衣類以外にもキッチングッズやコスメなどを揃える店舗もあり、今後さらに取り扱う商品の幅が広がることが期待されます。

オフプライスストア普及の背景
オフプライスストアの普及には、アパレル業界では余剰在庫やシーズンオフ商品が大量に存在するという背景があります。特に日本では年間15億着の深刻な余剰在庫問題が指摘されており、資源の再循環を目的とする二次流通の役割が期待されています。求められるサーキュラーエコノミーへの転換や高まる消費者のエコ意識。アパレル業界でも廃棄削減を目指すブランドは増加しています。このような状況は、オフプライスストアの拡大や普及につながると考えられます。

*小島ファッションマーケティングの調査による


 国内の主なオフプライスストア

国内の代表的なオフプライスストアを紹介します。

&Bridge(アンドブリッジ)
&Bridgeは、アパレル大手の株式会社ワールドと株式会社ゴードン・ブラザーズ・ジャパンが運営するオフプライスストアです。ウィメンズ、メンズ、キッズアパレルからファッション雑貨、日用品まで幅広く取り揃えています。ワールドが展開するブランドに加え、国内外の有名ブランドから仕入れたアイテムも多数揃っています。さらに、オンラインストアだけでなく、関東圏で8店舗*を展開しています。

LuckRack(ラックラック)
LuckRackは、株式会社ゲオホールディングスが運営するオフプライスストアです。リユース事業で培った売場作りや価格設定のノウハウを生かし、LuckRackを展開しています。メーカーや小売店など約150社以上と提携し、ファッションを中心にスポーツ用品やホームファッションなど国内外300ブランド、約2万点以上の商品を取り揃えています。これらの商品は定価の30〜80%OFFで提供され、国内に19店舗*あるリアルストアで販売されています。

LOCUST(ローカスト)
LOCUSTは、アパレルの大手である株式会社パルグループホールディングスと、双日株式会社が出資して展開するオフプライスストアです。新品のアパレル商品やコスメ、生活雑貨を、いつでも定価の30〜90%OFFで提供しています。オンラインストアに加え、全国に11店舗*を展開しています。

offprice.ec(オフプライスイーシー)
アパレル資源を再循環させるFINEが運営しているoffprice.ecは、ファッションブランドの余剰在庫を割引価格で再販売するお得なファッション通販サイトです。メーカーやブランドから買取したアパレル余剰在庫を再循環させることで、お得でエコなファッションを多くの人に楽しんでもらい、ファッション業界の大量生産・大量廃棄問題の解決に貢献しています。

*店舗数は2024年8月時点の情報より引用しています